個々の政治家は、考え方の特性が十人十色です。それどころか、知識の質や量、拠って立つ支持基盤の背景などによって、千差万別といって良いほどに存在の前提条件が異なっています。
たとえ、政党の指導や綱領を「忠実」に守る事を第一義としている党派の議員であっても、それぞれの方々の個性は、明確に違ってきます。何かを主張する場合、その理由付けや正当化の方法は同じであっても、根本的な動機付けは別なのです。
国政の専権事項である外交や防衛、国全体を対象とする内政も、一定の共通項をもった人々の集まりである党派や会派、あるいはその連合によって、議会の意思が議決といった形態で決定されます。私宮岡治郎の担当部門の地方自治であっても、基本構造は変わりません。
この仕組みは、正に「呉越同舟」といえるでしょう。広辞苑を引きますと、出典は中国古代の兵法書『孫子』らしく、①仲の悪い者どうしが同じ場所に居合わせること。②敵味方が共通の困難や利害に対して協力すること。となっています。
要するに共通の利益が、利害対立を上回った場合に、政治的な連携は成立する、といったところでしょう。あるいは、共通の反対勢力の強さの度合いにもよるでしょう。
構成員の共通の利害の度合いと、個々に相反する利害の度合いとの差異が、政治的会派集団の結束力に反映するでしょう。更にその集団を「応用する」際の、議会での多数派工作の巧拙のよって、議会の議決は、どちらにもなる事さえあり得るのです。
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