10月下旬の佐渡市視察の際、島の東の玄関の両津港から、西の拠点の佐和田地区に移動する途中、佐渡島唯一の国の重要文化財建造物の妙宣寺の五重塔を、見学する機会を得ました。私としては長年の念願、積年の宿願が叶いました。
佐渡島の宗教や文化の重心は、西側に寄っているにもかかわらず、以前は、入間市と旧両津市との交流の性格上、東寄りの施設の視察が中心で、今回の施設を訪れる機会には、恵まれませんでした。
妙宣寺は日蓮宗の寺です、五重塔は江戸時代の文政年間の建築です。鎌倉時代に、日蓮が佐渡島に流罪となった、といった歴史的事跡が、佐渡島に日蓮宗の宗教施設を多くもたらしているようです。
私は、今年6月に静岡県富士宮市の大石寺を見学し、国の重要文化財の五重塔を鑑賞してきました。こちらも江戸時代に建てられた建造物でした。
諸般の事情で、内部で分派し、激しい対立が存在するとしても、大雑把に言って同じ宗派の同じ時代の、そして文化財として公的な評価の定まった五重塔を、二つながらに対面することが出来たのは、今年の僥倖でした。
妙宣寺の五重塔の特徴は、最上部の屋根だけが、扇垂木といって、垂木が中心の柱から、放射線状に拡がって、展開している事でした。
この特徴は、宗派の異なった、禅宗の様式の、入間市にある建造物、高倉寺観音堂の屋根を支える扇垂木とも共通性があります。妙宣寺が、そして佐渡市が身近に感じられました。
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