今晩NHKテレビのBSスペシャルで、溝口健二監督の映画『祗園の姉妹』(1936年制作)を鑑賞しましました。 溝口監督や主演女優の山田五十鈴について、私にとって盲点となっていた部分が解明されたような心持ちです。
京都祗園の花柳界の裏を、打算的で勝気の妹と、古風で義理堅い姉の対抗軸を縦糸(経)に、係る4人の男達を横糸(緯)に、虚業・虚栄の世界の歪を描いています。
抑圧された立場の姉妹それぞれの、現実への逆の対応が、どうにもやるせない問題を提起しています。要するに下手に騙すか、上手に騙されるか、どちらかしか選択の余地が無いのです。
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