かなり乱暴な区分けとなるでしょうが、国防論なるものは所詮乱暴なものであろう、という前提で述べさせていただきます。
戦争が始まってしまえば、「身も蓋もない」ものとなり、「国民的犠牲を閑却し」となるでしょうが、平時において、国防論には、大別して二通りの論旨があるようです。
一つは、純粋軍事的に戦争遂行を念頭に総てを論じようとする国防論です。軍事的に、例えば拠点を占領するとか、逆に拠点を死守しさえすれば、それで良いものです。
もう一つは、国家の統治機構の保持を念頭に、そのいわば制約の範囲内で、戦争を遂行しようとするものです。
昭和初期の帝国陸軍の派閥(軍閥)に比定すれば、前者が「皇道派」、後者が「統制派」となるでしょう。
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