日中は猛暑の夏ですが、深夜の散歩では、秋の気配が始まり、午前3時頃になると、東にオリオン座の三ツ星が立てに一列に上ってきます。
私はふと、作家阿刀田高氏の小説に『夜の旅人』というのがあったのを思い出しました。後で調べると1983年に文庫本となったようです。題名やあらすじ、そしてさわりだけ読んだだけです。
事業家で財産を築いた主人公が、ドイツの文豪ゲーテに心酔し、長年の関連資料を蓄積した上に、渋谷の道玄坂にゲーテ資料の専用ビルまで建てる、といった実話を基にしています。
私は、この小説のモデルとなった人物と会って、ほんの10分間ほど話したことがありました。食品加工機の製造・販売の事業家が昼間の盛業ならば、ゲーテ趣味は「深夜の人生行路」であった、ということであったようです。
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