1918年9月の雑誌『太陽』に掲載された、与謝野晶子の『米騒動』についての論述『食糧騒動について』の、論旨の展開の中に、現代の日本の政治批判に通じる脈絡を感じ取りました。
軍人で、立憲政治を理解しない、「非立憲」(ビリケン)の寺内正毅首相の時代です。
国民の窮乏も弁えずシベリヤに出兵しました。それ自体の国民的な生活へのしわ寄せもありました。
が、それ以上に、戦地への物資の積出と買占めによって、コメ不足が全国的に発生しました。
晶子は、コメの買占めに反発する、主婦たちの「米騒動」を「歴史の汚点」としています。
しかし、その原因が寺内首相のどういう点のあるのかを、「時機を逸した(物価の)調節令」に追究し、丹念に論評しています。
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