昼時の食事の後、芥川龍之介の短編小説『将軍』を読みました。
1921年(大正10年)12月に、雑誌『改造』で発表された様です。 選対の4分のを占める日露戦争のから16年程経過し、登場人物の将軍のモデルとなった、乃木希典の死から10年程が経過しています。
4つの部に別れた構成で、一 白襷隊、二 間諜、三 陣中の芝居、四 父と子と、時系列に従いますが、それぞれ、1904年11月26日の未明、1905年3月5日の午前、5月4日の午後、1918年10月のある夜、から始まります。
一.は、203高をモデルと思われる砲台を攻める部隊の兵卒と状況と悲惨な戦死を、二.は、ロシア側のスパイ(露探)との遭遇、取り調べ、処刑の非情さを、三.は、招魂祭後の余興の俄芝居と、将軍の奇矯な振る舞いを、四.は、参謀が今では少将となり、息子との世代差を、描いています。
伏字もあり、芥川としては精一杯の限界まで書いたものと思われます。が、全体の筋書きとしては、作家自身腑に落ちないと思われるほど、不統一です。
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