「政治の局」とは、巷間取り沙汰されるような「政局」ではありません。実際の政治の、具体的には行政の執政といった、広範で緻密で常に緊張を伴い、最終的な責任を追う立場です。極めて現実的であり、あらゆる甘えを拒絶された世界であると思います。実現不可能な「公的な約束」は、真っ先に排除されるでしょうし、そうすべきです。
ところが、実際の政治の局に就いたならば、どうなるのか保障の出来ない政治家あるいは政治集団でさえも、時と場合によっては、容易に甘言で一定の執政の立場に就き得るようです。現在の経済的苦境に有っては、多くの国民にどのような甘言でも浸透してしまうでしょう。現状よりはましである、現状を打開できるかもしれない、ともかくも現状がこのまま続くのは困る。そのような心理が支配的である、という事でしょう。
多くの人々は「騙されたがっている」、という事かも知れません。せっかく騙されたがっているところでは、体よく騙す方が政治集団の立場としては得策であるからです。ともかく、どのような手段を講じても政権にありつく、というのが野党の「第一の義務」ともいえるでしょう。
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