本日未明の深夜、自宅のテレビで、DVD版の映画『グラン・トリノ』(2008年制作 アメリカ)を息子と一緒に鑑賞しました。
舞台は、現代のアメリカ中西部、ミシガン州の自動車産業都市デトロイト郊外の住宅地。主人公ウオルトは、妻を亡くしたばかりの一人暮らしの老人です。かつて朝鮮戦争に従軍し、退役後はフォード社で自動車組立工として一家を養い、息子二人は独立して所帯を構え、孫娘まで成人しています。
隣に越してきた、ベトナム戦争から派生した、アメリカ亡命のインドシナ難民の山岳民族の大家族から、ふとしたきっかけから「聖者」としての扱いを受け始めます。主人公は、厄介者としさげすんできた者達のために、「聖者」としての義務を果たす、といった様な筋書きです。
こういった主題の原型としては、映画『黄金』(原題シエラマドレの宝、1948年 アメリカ)もあります。
また、闘争の中での精神的な浄化としては、敗北を承知の上で鮫と闘う老漁師を描いた、ヘミングウエーの小説『老人と海』があるでしょう。
余命幾ばくもなく、息子の家族との断絶から、庶民の願いである公園整備に命を張る、市役所の市民課長を主人公とした映画『生きる』(1952年 日本)もあります。
監督・主演がクリント・イーストウッドなので、不良少年たちに銃を突きつけながらのセリフ回しは、凶悪犯とぎりぎりの駆け引きをする刑事ハリー・キャラハンが主人公の、映画『ダーティーハリー』(1971年 アメリカ)を思い起こすでしょう。
また最高潮(クライマックス)での主人公と悪漢達との銃撃戦?は、往年のイーストウッドの代表作『荒野の用心棒』の決闘場面を、鑑賞済みである場合、独特の味わいを前提としているようにも思われました。
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