入間市議会議員倶楽部が研修視察として、所沢市議会と鶴ヶ島市議会を訪れ、私も参加しました。内容は、『議会基本条例』についての現地調査でした。
『議会基本条例』は、それぞれの市議会の議事運営の方向性を示すものでした。人に例えれば、志(心差し)といえるでしょう。両市議会に共通するものは、議会を一つの有機体として、個別の議員を全体の中の器官として位置付けているようでした。
議会が市執行部と市民の間にあって、その内部で整理された「全体意思」を対外的に表明し、一定の存在を示さなければ、今後の市議会は、「議会無用論」に押し流されるのではないか、といった危機意識も背景にあるようです。
典型的な例が「議会報告会」で、党派性や地域性、議員個人の議案に対する賛否に拘らず、審議の過程や採決の結果などを、客観的に報告すべしといった方法論です。これは、報告会に於ける、市民の質問に対する答弁にも及ぶようです。担当議員が参加市民の発言に同感であっても、議会の全体意思の見地から、否定的な答弁に終始する事態も予想されます。
私宮岡治郎は、「全体主義的議会運営」といった印象を持ちました。議会の会派よりも上位に議会全体があり、各議員は説明会では無個性で一元的に動員されるようでもあります。
地域の諸事情の熟知、郷土に対する愛情、議員独自の職能別の専門的知識、見識や教養とは無関係に、それらを捨象された議会となるのでは無いかと考えますが、今後しばらく様子を伺おうと思いました。
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