互いの身体を実例に挙げて論ずると、なかなか説得力がある場合もあるものです。万人にとって共通性があり、実感があるため、理解し易いという事でしょうか。
1954年公開の日本映画『七人の侍』(黒澤明監督)の中の台詞でも、物事の優先順序を上記の方法で納得させる場面がありました。 脚本が、黒澤明、橋本忍と小国英雄の三名になっていますが、その内の一名の発案でしょう。
野武士の襲来を防ぐため、村が侍を雇い村人も含めて武装する中で、村人の一人が、「侍の存在も危険である」、と発言した際に、長老(じい様)の答えが、題名で一部示した、「首が危ないってえ時に、鬚の心配して、どうするだ!」です。長老は、顎鬚を手でしゃくりながら答えます。
現代の日本でも、一番危険な事態を前にして、優先順序の明らかに後の事項や、はるかに小さな事項に惑わされて、根本論や本質論を忘れている傾向があるようです。
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