「戦わずして勝つ」方法を最上の策と考える『孫子の兵法』は、戦争による多大の犠牲を避ける方法論で、最良の策ともいえるでしょう。
それに比べると議会運営は、根本的にかなり異なると考えました。 「戦い」による「犠牲者(死者)」の発生しない議会では、その「戦い」は市民の目に触れる様な「目視」出来、「明示」出来る法がこのましく健全だからです。
孫子は、「戦わず勝つ」方策として、影での戦い(陰戦)を勧め、「表では戦わずに、相手を屈服させる」のを最良としています。
議会ではこれでは困ります。 これでは最低の勝ち方となるでしょう。 それは、議会の存在意義が否定されるからです。 また、市民にとって何が論じられたのか、何を問題とし、争点としたのかが、表舞台で示されなくては、判断の材料を、市民に提示出来ません。
万事根回しで決着が付き、本会議の開会はあくまで、儀式に終始しては、何にもなりません。
市民の見えるところで、聞こえるところで、質問や答弁、賛成・反対の討論を、それも、議員自身が自ら調べ自ら考えた上で、自ら原稿を執筆し、自らの言葉で発言しなくてはなりません。
あらかじめ相手の得意技や反撃の糸口を、封じ込め制約し、その本領を発揮させないのが、孫子の兵法の極意でしょう。が、議会で邪道となります。 相手に充分に得意技を発揮させ、反撃させ、本領を発揮させた上で、あくまで論戦をもって、これに打ち勝つのが王道です。
市民は、議員に「横綱相撲」を期待しているのです。 議会は「戦争」というよりも「スポーツ」としての価値を重要視されるべきなのです。 これが、今後の議会の目指すべき方向となるでしょう。
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