戦争とは、被害だけではなく、多かれ少なかれ加害行為を伴うものでしょう。かつてベトナム戦争時代の1970年頃に、『戦争を知らない子どもたち』という歌が流行りました。作詞者の北山修は、フォークルセイダーズのアングラソングでも知られていました。
「戦争を知らない子どもたち」とは、自分たち若者世代を指しました。「戦争を知らない」とは、日本が一方の当事者となった戦争を知らないといった意味であり、ベトナム戦争の報道は日常的なものでした。
「子ども」とはいっても、戦後に育ったといった過去形で語られ、現在は成人した成年を意味していました。
その世代も、今では祖父母の世代です。戦争の惨禍や被害を知らない世代であると同時に、戦争の加害行為の体験もない世代が、祖父母となっています。当然父母も加害行為については未経験です。
昨今、た易く、文化的な共通項も弁えず、文化的な素養も無く、近隣の国と敵対的な、対立の構造の策動に載せられる、「加害行為」体験の無い、父母世代が急増しているのが、きにかかります。
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