ドイツの劇作家ベルト・ブレヒトの戯曲『プンティラ旦那と下男のマッティ』の最後の場面での台詞に、「自分にとって自分が主人である事」というのがありました。
舞台は20世紀半ばのフィンランド。 酔えば陽気、素面では守銭奴のプウティラ旦那に辟易しながらも、無理難題を体裁よく受け止めながら、お抱え運転主を務める、マッティ・オルトネンの終幕でのセリフでした。
ブレヒトの何時もの例によって、劇作家の分身であるマッティは、無口な役柄ながら、かなり意味深長な言葉を言うものです。
顕在的に、被雇用者は雇用者の無理難題に従順です。 これを、予め標榜して観客に提示してから、「叙事的演劇」は開始します。
究極的に、人間の自由とは、経済的な経済的な関係で、歪曲される、といった主題であるようです。
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