「おもねる」を漢字で書くと「阿る」となります。 かつて敗戦後の日本の立ち位置を国際的に明示する段階で、吉田首相が、全面講和をめざす行動を取ったある学者を、「曲学阿世の徒」として非難したようです。
その当否は暫く置きますが、この度、違憲論を唱える憲法学者は少なくとも今の段階では、「曲学阿世」、すなわち「学問を曲げて世におもねる」とは言われない様です。もっとも、おもねられるのが国民の多数派ならば、国民を非難することにつながるからでしょうか。
ところで、存外政治家の中に、政治家のヒエラルヒーで上位に位置する政治家に巧みに阿る者は多いものです。 すなわち、上位の政治家が何も意思表示をしなくても、自ら率先して、その政治家の意思を忖度し、政敵とされる者に攻撃的な言動を取る者たちです。
もう一段、「芸」の細かい者になると、組織を引き締めるべく、利敵行為と見做される「過失」を罰すると注進までするようです。
政治組織の防衛・維持、ある意味では(集団的)政治組織自衛の最も有効な態度表明かも知れません。 私は、必ずしも国政の事だけを論じているのではありません。
困った事に、これでは政治的な論争点が、本来あるべき高度な分野から、かけ離れてしまう事につながるからです。 政治そのものにとって、極めて不利益となります。 この不利益は、回り回って、国民、県民、市民に影響を及ぼします。
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