通常の1週間を単位とする生活上の仕事・学校と休暇の循環を、「国民の祝日」は不規則にする作用があります。 『海の日』が実施された20年前をさかのぼる数年前から、私はこの祝日の制定には反対でした。 国民生活にとって弊害はあっても、殆ど利益が無いからです。
『海の日』の頃から、 「国民の祝日」は、一部の団体や業界が国政の政治家に働きかけ、極めて政治的な取引で成立しており、また今後も同様な傾向が続くようです。
『海の日』が、石原慎太郎氏などの政治家の音頭で導入されて、既に20年が経過します。 これ程、大多数の国民に認知されておらず、その存在意義が不明瞭な祝日もあるのです。
かつて、古代ローマは、奴隷制に基づく植民地から流通した安い農産物によって、自作農の存立が破壊され、ローマに流入したこれら自由民は、民主制下の有権者として、有力政治家に「パンとサーカス」を要求したと歴史には記されています。
その折に、政治家のたくらみで、国民の祝日が年に100日を超えたと、堺屋太一氏の著書の記述に在りました。 それだけが原因ではありりませんが、根拠のない「国民の祝日」の増加が、ローマ帝国の滅亡につながった一因と考えられています。
むやみに「国民の祝日」を増加させるのを防止する必要も、意義の無い「国民の祝日」を廃止するのも、政治家の責務となってきます。
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