作家谷崎潤一郎の美学論的随筆『陰影礼賛』を、全文読みました。 高校生時代、国語の教科書で「吸い物椀」の部分だけ読みましたが、それは全体の20分の1程の分量であるものの、筆者の全体的な視座はほぼ同方向でした。
心憎い程に含蓄深く、日頃私が指摘して欲しい内容を説得的に論証しています。 が、考えを巡らしてみれは、私が1970年代の初期、40数年前に「吸い物椀」の文章に啓発され、人格形成期に「陰影」を尊ぶ志向が芽生え、その後の人生で、「陰影に基づく美意識が」徐々に、自分なりに磨かれて来た為では無いかとも思われました。 最も、余り方向性が違わずに、不思議な程、合致しているのも不思議です。
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