私が小学生低学年の1960年代前半に、テレビのおそらく再放送で、宇津井健主演のSFドラマ『スーパージャイアント』を視聴しました。その中で、特に深い意味も分からずに記憶していた科白に、「平和の為に使って下さい」がありました。
科学的な「貴重らしい物質」を転用した、新兵器による世界制覇を目指す犯罪者集団に対して、敢然と立ち向かって撲滅する、「正義の主人公」の「スーパージャイアント」。 そのヒーローが、一件落着の後、犯罪者集団から奪還した「貴重らしいい物質」を、良民の代表である科学者に手渡して、去り際に残す言葉です。
要するに、子供向けに、科学の平和利用のメッセージが、テレビドラマ制作者一同側から発せられたものです。背景となる敗戦から間もない日本の「常識」が、自然と科白になったと推定されます。
あらゆる科学技術も、平和と戦争、民生と軍事の両面に適用が可能である、といった絶望的な現実を前にして、せめて子どもたちだけには、平和・民生を目的に絞った展開を、希求したものかと思われます。
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