1968年当時、NHKの『みんなの歌』で紹介された、数ある中でも出色の曲が、メキシコ民謡を下敷きに、かなり趣向を変えた日本語の歌詞を付けた『ラ・ゴロンドリーナ』でした。
元は、フランスのメキシコ介入戦争に抵抗する国民軍の兵士として従軍し、俘虜となってフランス本土に幽囚の身となった人物が、まだ若いティーンエージャーの感性をもって、望郷の念を、飛び回る燕に託した歌だそうです。
私は、還暦を過ぎた今になって、ことの起こりの「真相」を知る所となりました。
「春に、遥か南国から渡ってくるつばめに健気な姿を哀愁を帯びて歌う」、といったかなり意図的な歌詞ですが、日本語の歌詞そのものが、サトウハチロー氏の補足もあってか素晴らしく、中間部は次の通りです。
♪「くうるう~しいみ~~なあやあみを たあえぬういたあ~すうがたあ おお~つうばあ~めえ~~ ラアゴロンドオ~リイ~イ~イ ナア~~」♪ (苦しみ悩みを耐え抜いた姿 おお燕 ラ・ゴロンドリーナ)
この「つうばあ~めえ~~」で、音程が静止する所に妙味であり、荘厳ささえも感じたものでした。
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