今から2500年程前の中国の思想家孔子の言行録『論語』の子路第十三に、「子曰く、剛毅朴訥 仁に近し。」といった文章がありました。
「剛毅」jは、意思の強さを表すので、それで良いのですが。「朴訥」という言葉には、率直である事というよりは、気の利かないといった、負の印象がありjます。
しかし、同じく『論語』で最も有名なフレーズの一つ、「巧言令色」の反対概念かとも思われます。
俳優の高倉健の演ずる映画の主人公に良くある性格として、「不器用」という形容がありました。 研鑚自身が、「不器用ですから」という科白もあったかと思います。
ちゃらちゃらと時勢に阿り、その場その場で「強くて悪い方」へとに靡く、チンピラまがいの脇役が、健さんを引き立てる、という分けです。
この「世渡りの不器用さ」が、孔子が仁に近いとした、朴訥であったのかと、今日ふと思いました。 孔子なりの、深淵な政治論ででもあります。
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