NHKの大河ドラマ『炎立つ』(1993年)で、公卿の会議、内裏での『左近衛の陣』の場面が登場します。 歴史的な検証に基ずくドラマなので、時代の趨勢がこの会話の中に伺われます。
時代は、11世紀の半ば頃。 藤原摂関政治も道長亡き後、衰退が始まります。 陸奥国では、安倍氏の反乱の兆しありと国守から報告がありますが、頼道は、世論の評判や、身内の病気平癒を優先して、政治判断をする始末です。
道長の時代であれば、思い切った奇策に出るといった、大胆さもあったでしょうが、万事消極で、事なかれ主義に止まります。 源頼義を代表とする武家の台頭を、「大赦」や「私戦」を名目に、一時的には阻むものの、限度があるようです。
公卿の側が、劣勢であると、周囲や外部に印象づけられては、一番困るといった消極主義です。
コメント