元号の節目の実質的な初年の昭和2年(1927年)7月に、『岩波文庫』は刊行されています。 日本の出版文化史上の重大さとしては、明治初期の福沢諭吉著の『学問のすすめ』等と共に、最大級に出来事であろう、と考えます。
この発刊の辞『読書子に寄す』は、学問と芸術の本質とこの世での在り方を唱え、出版の目的と読者との連帯を求める内容となっていいます。
著者岩波茂雄や協力者三木清の基礎学力や国語力もありますが、常日頃高踏的な日常生活を暇なければ、決して書けない、日本語史上の寧分であると考えます。
元号の節目には、このような挙措に、及ばずながらあやかりたいと考えています。
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