昨年の12月7日(日)に、仏子の『入間市文化創造アトリエ』で、歌劇『カヴァレリア・ルスティカーナ』が上演され、私は妻千栄子と共に鑑賞しました。一幕物のイタリアオペラで、写実的な作品です。1890年に、マスカーニ作曲でミラノで初演され、「ヴェリズモ・オペラ」(写実的歌劇)の代表作とされています。
通常、歌劇は伝説上の英雄や、王侯貴族の登場の多い物です。ところが、シチリア島の農村を舞台に、庶民の三角関係の色恋沙汰による悲劇を扱っています。日本の江戸時代の、近松門左衛門の世話物といわれる、人形浄瑠璃に似た内容です。婚約者に振られた女性が、腹いせに告げ口をしたことがきっかけで、婚約者が決闘で死んでしまう、といった悲劇です。
主人公が恋愛の敗者の女性であるのが特徴です。敗者の側にこそ、恋愛の真実がある、といった主題てあると考えられます。叙情的で、哀愁を帯び、激情的な歌唱は、この作品の最高潮で、婚約者に振られる場面で存分に表現されます。
下の《You-Tube》は、1976年に東京で上演された際の映像と音声ですが、全世界の歴代の名歌手の歌唱と聴き比べても、最高のものとなっていると思います。ヒロインのサントゥツァをコッソット、婚約者のトゥリッドゥをドミンゴが演じています。
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