1920年代の末から1960年代の初頭にかけて、30年以上にわたって日本の映画界を牽引した、映画監督小津安二郎(1903年~63年)。その代表作『東京物語』(1953年:昭和28年制作)については、多くが語られて来たと思われます。
小津監督の一連の作品の中で、特に後期のものの中には社会性の要素が殆ど無く、物足り無い作品もあります。しかし、よくよく鑑賞すれば、さりげなくではあるものの、社会性が色濃くにじみ出ているものです。
小津監督は、正面切った「反戦映画」は作りませんでした、代表作『東京物語』も、尾道から東京へ息子や娘の家族をたずねてきた老夫婦が、子供たちの生活の厳しい現実に出会う、といった主題です。戦死した次男の嫁に世話になる話と、最後の尾道での場面で、舅としての嫁に対する思いやりが描かれます。それ以外でも、声に出してはっきりとは表現しないまでも、「戦争の後遺症」を表示しています。それは、多くは以下にYou-Tubeで引用させていただきくように、間接的なものです。

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