入間市は、1966年(昭和41年)11月1日に市政が施行されました。この年の話題としては、6月末から7月初めにかけて、「ザ・ビートルズ」が来日し、日本武道館で公演したのが、最大級のものでした。この模様の一部は、日本テレビで放映されました。私も当時小学校5年生の10歳半でしたが、二人の姉達と一緒に熱心に視聴しています。
ビートルズがなぜ世界的に大成功したのか、については様々の分析があると思います。音楽的に原色的な単純な曲の演奏であったこと、当時の若者の開放願望と共鳴したこと、などなどが挙げられるでしょう。
おおよそ学校教育の音楽教育で追求される、優雅さとか洗練とかと無縁であった、主題を扱った点が大きかったのではないかと考えます。多くの人々に共感をもって迎えられる音楽とは、そもそも文化とは、学問ではなくて、生活実感に根ざしたものでしょう。音楽は「音学」ではないのです。
生活のために「犬」(日本語の訳詩では馬車馬)のようにあくせく働きずくめである、といった労働者の、管理化された息苦しさを、労働者階級が出自の若者が本音で語っていることが、全世界的な規模で、大衆を魅了したものと思われます。
ビートルズは20世紀の1960年代後半という限られた時期にあって、様々な批判を受けながらも、地球的な規模で、人類史上空前絶後の熱狂的な支援を受けた偉大な存在です。
以下に示すのは、日本武道館での公演の中から当時新曲の、「ペーパーバック・ライター」です。この演奏は私も聴いたはずです。今になって、歌詞の翻訳を見て、紙表紙の俗悪な小説家が安原稿料のために依頼主に媚諂いながら、品格の無い文章を書き続ける内容が共感を呼んだのではないかと考えます。売文業といった頭脳労働者の悲哀を歌っていることが分かります。
コメント