いつの時代にもその嫌いはあるものの、現在の日本の社会風潮全般が、前代未聞か、あるいは戦国乱世や敗戦直後に匹敵するような、人々の乱戦模様の風潮にあることは確かである、との判断を私は抱きつつあります。
原因は様々に考えられますが、社会制度や組織機構、科学技術や思想の多様性が、もはや個人の努力では、納得の行く説明や標準的な尺度に基づく判断ができないほどに、煩雑になってしまったところに、その根本があるようです。
社会規範の弛緩。学問的な権威や階層構造の崩壊。芸術全般に対する敬意の消滅。無定見な大衆迎合主義に伴って、「物事には必ず裏がある」と、物心付いた頃から当然視するような成長過程を経て成人した日本人が増大する事も、付随的な要素となるでしょう。
不正に敏感となり、偽物にだまされないことは良いとしても、「真善美」を追求する、といった思考過程の蓄積の過程を経なければ、日常の生活の中での、内的な人品や器の向上は、土台望むべくも無いでしょう。結果的に、弊害の多い世の中になっているのです。
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