哲学者カント短い著作に『恒久平和の為に』があります。人類が未来永劫に渡って平和であるための方法論が説かれています。国際連盟の創設の理念となったこの名著は、一旦平和の装置が確立されさえすれば、恒久的に平和が保たれる、といった内容ではなかったと思います。
何時の時代にも、戦争を企む輩は存在します。その輩のその場限りの巧みな策動に抗して、平和活動を展開するには、強固な意志と永続的な持続力、精神的な安定性など、多面的な能力を要すると思われます。
卑近な例では、最近の北朝鮮の不穏な動きに就いて、防衛システムの構築は緊急的な措置として必須であるとしても、そもそもがこのような国家を生み出した原点ともいえる、朝鮮半島に対する日本の植民地支配に思いを馳せる者がどれだけ存在するでしょうか。
また、北東アジアの平和構築に対して、多少なりとも貢献する日本人がどれ程いるでしょうか。「平和活動」とか「平和運動」といえば、ある種の革新政党や団体の党政拡大や組織拡大の材料に利用されている、といった不信感をもつ方々もおられる事でしょう。
比較的保守中道寄りの富裕層が担い手となっている、地方自治体の北東アジア諸国との友好都市交流は、外交と防衛を「専管事項」とする、国とは別に国際親善から、平和の構築、少なくとも相互間の不用意な軋轢を予め防ぐ役割を担うでしょう。
経済的には富裕でも、社会的にはその経済的活動の手段によって、主流とはなり得ない方々もおられるようですが、差し支えありません。最も、最近では少なくなりましたが、風俗営業の客としての目的や、単なる物見遊山的な交流となってしまっては、本来の目的を果たす事が難しくなります。
平和活動は、人類存続のためにどうしても必要であり、この最優先課題には、自治体住民の中でも、最も優れた人材を投入しなければなりません。
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