入間市大字仏子は地理的に、南側に加治丘陵、北側に入間川があり、その間の河岸段丘の上にあります。全体が南に高く北に低いなだらかな斜面というのではなく、北側に一段下がる地形です。
したがって、地政学的に土地区画整理には馴染まないと考えられます。傾斜地の土地造成は費用がかかり、北側斜面では建物の日陰の部分が多くなるからです。
すでに、現状の道路の下に下水道管が張り巡らされており、その社会的基盤を温存すべきでしょう。新たに別の道路整備と下水道管敷設を図る事は、「二重投資」となります。将来的にも財政的に無理が有るでしょう。私論ですが、下水管が耐用年数の期限に達する、50年後等に道路形態を変更するならばまだしも、高だか埋設後10年程度で、下水道間を廃棄するのは、社会全体の経済上も、環境への負荷の観点からも道義に反すると思われます。
基本的に、現状の道路形態を前提に、部分的な「点と線」の整備に止め、「面」の整備は控えるべきでしょう。この場合、「点」とは、道路の交差点や踏切等の整備を指し、「線」とは、現状の幹線道路の拡幅整備等を指します。この場合、「面」とは、宅地や建物を含めた総ての土地の既存の形態を滅却した上での、全く新たな市街地整備を指します。
住民自治の観点から、仏子駅周辺整備の基本路線とは、最大多数が納得出来るような、駅を中心とした交通体系整備に帰着するでしょう。最も、少数であっても決定的な反対意見が有る場合、利益考量を図るべきでしょう。
しかし、実施が一時延ばし的に見送られるような事態は、極力避けなければなりません。この「見送り」こそが、仏子駅周辺の整備を遅らせてきました。たとえ、「部分的な改良」であっても、少しずつ進めるべきでしょう。
整備についての沿革的資料としては、1997年に休眠状態となった、『仏子駅周辺まちづくり研究会』がまず掲げられなければなりません。土地区画整理を前提とするものであった事、「休眠」前に、部分的な道路改良が、要望として示されていた点などが、一部実施され、残りの再考の余地が大いにあるという事です。
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