鉄道が、市街地の中を通り抜ければ、当然市街地の一体化を阻害します。この場合、市街地が細長い場合、鉄道が横断するよりも、鉄道が縦貫する方が、市街地の一体化に対する阻害は大きいといえます。その事例は枚挙に暇の無いところでしょう。
ところが、鉄道はその開通以来、長年にわたり、鉄道の駅の連鎖で、線路の至近距離が市街化する傾向があり、「沿線」としての一体性、類似性が形成されます。「○○線沿線」といったカラーです。
鉄道が、沿線の一体性の磁石の役割を果たしながら、一体性を阻害する最大の弊害をもたらしているのです。前者の役割は既に完了し飽和状態に達し、後者の弊害の除去がこれからの、特に21世紀初頭を過ぎた現在の、21世紀前半の課題であると考えます。
これは、各論的に、社会的弊害、経済的弊害、文化的弊害に分けても十分身近に論ずることが、どなたでも容易でしょう。
分かりやすいのが「踏切」の存在の弊害です。交差点の信号機と違って、鉄道は常に「優先通行」の資格あるいは権利を有するので、その他の交通が遮断される弊害について、完全に無頓着です。
市街地の中の中小の河川や水路ならば、橋の架橋によってほぼ解決します。市街地の一体性の確保は、技術的に容易です。
が、鉄道との交差する「踏切」では、橋のようにその上で止まることが許されません。これは、特殊な交通施設であり、歩行者やドライバーに、幾多の焦燥感やストレスを与えてきました。
「踏切」の解消は、「鉄路」の高架化によって達成できます。高速道路やバイパス道路のような、地域住民の生活と切り離された道路を除けば、生活道路は地上の高さに存在するからです。
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