明治期以来西洋から流入した、徴兵制を基盤とした近代の「正規」軍制度は、付随的に西洋音楽を取り入れています。行進曲を中心とした全体的な規律と、兵卒への上からの統制をを目的とした、戦意高揚がモチーフ(動機)ですので、当然「好戦的」です。
この分野で、日本のクラシック音楽教育が「貢献」したのは事実でしょう。『抜刀隊』の連綿たる歌詞の流れを、声楽家の女性が斉唱すると、ワーグナーの楽劇『ヴァルキューレ』に、酷似して来ます。
日本人の日常性の言語生活から隔絶された、漢語調の歌詞連続は、殺伐とした描写を格調高く変容させ、当初は惑うとしても、繰り返し聴き続ければ、慣れによって、次第に「馴らされて」いく効果を持っているようです。
そうであっても、「硬さ」は、本来の日本人の心的傾向には合致しないと考えます。勢い、標準的な日本人の生活様式や家族構成からは偏った人々が、無理矢理このような軍歌を押し付けているようです。
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