和風の軍歌は、一兵卒の立場から、軍隊生活、特に戦場での生死の哀愁を主題にしたものが多いようです。大和言葉は、柔らかい言語のようです。日本人は本来「和」を尊び、「和様」は柔らかいものです。軍歌ですから、「反戦歌」とはならないものの、「厭戦歌」として、非公式に浸透しているようです。
軍歌『戦友』は、日露戦争当時に作られたようですが、近代の『防人の歌』すが、万葉集では国境警備や屯田兵に止まったものが、『戦友』では実戦での犠牲者を中心に歌われています。
すなわち、戦場で倒れ、手当ての甲斐なく死んだ「戦友」について、愛惜の念、思い出、残された家族への手紙など、「野末の石の下」に葬るに至った前後の状況が、克明に綴られています。
いづれ自分も同様の運命となるとの暗示もあり、「無言の反戦歌」あるいは「無言の抗議の歌」ともなるのではないでしょうか。
コメント