所与の条件の中で最善を尽くすのが政治の妙締である、と考えて来ました。
既存の制度に安住し怠惰な政治姿勢を繰り返す者に対抗し、政治的な主導権交代の狼煙を上げようとする者が、最も安易安直に思いつくのが、「制度改革」の諸々の論理です。
ところがこの場合、改革論者について、概ね二つの問題点が推し量られます。第一は、既存の制度の枠内での自己の努力不足を、棚上げして論じている実態が多い事です。もう一つは、制度改革が部分的にでも「達成された」としても、制度改革を自己目的とした改革論者は、新制度の上で、今度は己こそが惰眠をむさぼる蓋然性があることです。
既存の制度の安住者に覚醒を促すには、既存の制度の枠内で最高限度の演説や政策提言、施策の点検・判断・批判を実施することが、概ね最良の策となるのが、私の経験則から割り出した法則です。
学問に王道が無いように、政治には覇道は愚か、王道さえも無いのです。
また、制度改革達成の暁でも、常々制度目的に違背する輩は、改めた制度の中でも、怠惰な政治姿勢を再び繰り返すものです。
政治が機能主義を離れて、政治家相互が共同体化し、互助会的集団化するのは、世の常なのですから。
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