『3・11』以降、社会の各層に様々な理不尽さ、そして不合理や不条理が、現出していると思われます。世の中が過剰な生産と消費にどっぷりと浸かっている最中に、この度の事態が発生し、その結果、大量の『核エネルギー』を一概に停止することが困難な状況にまで立ち至っています。
私には『3・11』以前の世の中が、懐かしく感じられます。しかし、社会的な情報氾濫や諸般の手続きの煩雑さは、懐かしき時代でも総体的には変わらなかったでしょう。
最近、歴史的な古文書を、活字となった書籍の中ではありますが、原典にあたって読了しようと試みる機会が増えています。そこでつくづく感じるのは、素朴な古き良き時代とされる過去に於いても、自然な環境の中で災害や疫病は発生し、人間社会も封建制や専制政治の中で、極度といっても良いほどに、歪められていることが読み取れます。
表現の自由が保証されなかった時代、筆禍によって生命までも危うくされ得る時代では、自ずと比喩や間接表現が多く、こと文書に関しては、今以上に煩雑の極致の世界となっているのです。
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