佐渡市議会との交流会の二日でした。
小木(旧小木町)の海岸に「宿根木」という集落があり、全体が「伝統的建造物郡保存地区」となっていました。
江戸時代の安定期に、少ない富と永年の歳月を費やして、百程の建物が全体として小魚の群れをなしたように寄り添い、一軒一軒が独立の二階建て相当の建物でありながら、狭い路地を隔てるだけで、集合住宅のような統一性がありました。
現代社会の経済的価値とは、完全に一線を画した生活空間です。祠や寺社に生花が絶えず、住民の心豊かな暮らしぶりも窺えます。
単に、過去の遺物として一蹴する勿れです。人類の到達し得た、生活環境、文化環境の究極の姿があります。圧巻は、別の位置で四角形であった住宅を、この中の三角形の区画に合わせて、なんと三角形に改造した住宅で、住宅に対する愛着や執念を感じ取りました。
哲学用語の「価値からの自由」(Wertfreiheit)という言葉を、金銭的な価値はらの自由とするならば、それを体言した集落でした。
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