日本が、第2次世界大戦終末の1945年8月、ポツダム宣言を受諾して無条件降伏した際の、天皇から国民(臣民)へのラジオの玉音放送として、あまねく伝えられた、少なくともそういった形式をとった、肝心の『終戦の詔勅』を、精読しました。
全体が8つの段落で構成されていて、かなり前から文案はあり、複数の人々の共同作業であったかと思われました。
戦争遂行それ自体は正当であるとしたり、敗戦後想定される混乱を未然に防ごうとした配慮が伺われました。要点を私なりに筆記すると以下の通りです。
① 臣民に告げる。四国共同宣言(ポツダム宣言)受諾を通達させた。
② 万国共栄の為の宣戦は、国防と東亜(東アジア)安定の為である、他国侵略の意志はなかった。
③ 戦争は四年目となり、将兵も役人も庶民も最善を尽くしたが、戦局は好転せず、世界の大勢も有利ではない。加えるに、敵は新型爆弾を使用して、殺傷の惨禍は想定外である。
④ これ以上交戦を継続しては、日本民族は滅亡し、人類文明も破滅する。これでは、臣民を保護することは出来ず、共同宣言に応ずる理由である。
⑤ 日本と共に、終始東亜(東アジア)の開放に協力した国々に対し、遺憾の意を表す。戦禍を蒙った臣民(国民)には、深くすまない気持ちである。
⑥ 今後の日本の苦難は尋常ではない、臣民の悲しみも分るが、耐え忍んで、未来の為に和平を開く。
⑦ 朕は国体を護持し、忠実な臣民と共にある。臣民は乱れることなく、世界に信用を失ってはならない。
⑧ 国を挙げ、一家子孫に伝えて、日本の不滅を信じ、任務は重く道は遠いを念じ、国の総力を、将来の建設に努力し、道義や志操を高くし、国体のすぐれたところを、ふるい起こし、世界に遅れてはならない。