政治の本質とまで言わなくとも、実態としての政治を洞察した至言として、「政治とは技術である」といった方が、確かいたと記憶しています。 この言葉の前提として、「政治とは文化ではなく」とか「政治とは哲学ではなく」、あるいは「政治とは理念ではなく」といった、言い方があったかと思います。
互いにとって居心地の良い環境を、その集団の構成委員は希求するのは当然の帰結でしょう。 政治の集団も、また然りというべきでしょうか。 唯でさえ、一般の職業に比べて気配りを必要とし、想定外の事態に対しても職責を津休される立場にあっては、せめて集団の構成委員相互の間では、対立すなわち政争の具となる、「理念」などを排除して、あくまで技術に終始したがる気持ちも、分からないではないのです。
もっともそれでは、政治の劣化は免れにくいのも事実でしょう。
「理念」は持ちながら、それを心に秘めて活動するのが、真の政治家の取るべき姿かと考えています。 もともと「理念」の何たるかを意識にも上らせない者との峻別は、有識者に任せるしかないようでもあります。