意見卓見とも卓見異見ともいう言葉があります。 30年程前のNHKの番組のコーナーに、そういった名称がつけられていました。 専門集団や同類集団の意見交換が、水に水を加えるような状況に陥る場合が有り、専門外や第三者の素朴な意見に多くの示唆が含まれている場合が多い、といった意味です。
特に、論争中の内容についての専門家の論評でなくても、別の分野についての、それも論評には素人のスポーツ選手や芸能人の、さりげない思いつき、あるいは持論からヒントを得る事もあるでしょう。
政治的な論争の弱点は、双方が建前を大前提とし、発言が逐一記録される事を意識しながらのものである事です。自己あるいは自己の陣営にとって不利な事実、都合の悪い事実に触れないのも、弱点というよりも欠点であり、論争のかみ合わない最大の要因でしょう。
また、一般国民・県民・市民への受けを念頭に、短くて極端に刺激的な語彙や句、せいぜい短文で喧伝するために、アリバイ工作をするとか、政敵を誘導して、失言や現地を取る作戦が、政争を不毛にする要因なのでしょう。
私はあまり見ないのですが、テレビの政治討論番組や政治評論家の論評などと共に、「異見卓見」は縺れた糸を解きほぐす場合に、効果を発揮する場合があるようです。