日本は食料受給率が40%を割り込み危険水域にある、と識者から指摘され、その警告は世上も十分に周知されているものと思います。
但し、「食品ロス」分を上乗せすれば、食料受給率は50%をかなり上回る、との指摘もあり、この辺りの判断が微妙なところです。
日頃は、宴席での食べ残しや飲み残しに、心を痛めている私にとって、この度、「恵方巻騒動」という、食品業界の過当競争原理が生んだ、国民的な大規模の食品ロスが発生したことは大問題です。
そこで、日頃は宮岡治郎の議員活動の報告を基調とする本ブログでも、一言これについて申し上げねば、と相成りました次第です。
私の62年の人生で、「恵方巻」が食品流通業界の販売促進の道具として、目につきだしたのは、50歳を過ぎてからです。21世紀も平年度化してから以降でしょう。 それほど、「恵方巻」とは後発の商売道具なのです。 クリスマスケーキやバレンタインチョコのような、商業的「伝統」すらないと考えます。 西日本で普及している和食で有りながら、文化的背景はかなり限定的です、小説や詩や、映画、テレビドラマに登場した形跡がありません。
ところが、近年止まる所を知らない、跳梁跋扈ぶりで、異様な昂ぶりを、投げ掛けています。要するに、食品としての生活習慣や文化が無いので、無節操な存在なのです。
コンビニやスーパーは横一線に、聞くところによると、パン屋さんのような言わば「異業種」までも、2月3日(土)、4日(日)めがけて「恵方巻」販売攻勢が殺到しました。
「期間限定」とは、販売促進の常套手段です。 これは、生産の期間限定であれば、消費可能機関の長さで、弊害はさほどになりません。 ところが、消費の期間限定、それも「手巻き寿司」といった、最も賞味期限、はっきり申せば、保存期間の短い食品で実施したらどうでしょう。 更に、心理的な賞味期限では4日(日)が限度です。
誰が考えても、一億二千万人余りの国民の胃袋に詰め込む限界値よりも、数割多く、過剰に、大量に生産し店舗に陳列したのは、あえて犯罪行為とまで言わなくとも、極めて際限なく重罪に近い、反道徳的行為と申せましょう。
売れなくとも、全体のムード作りを目的としたのならば、資本主義の悪しき側面をむき出しにしている。と言えるでしょう。
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