1967から68年に、惜しまれつつ解体された、東京・日比谷の『旧帝国ホテル』(2代目)。 その跡地に建替えられ、1970に開業した、近代的な鉄筋コンクリートの3代目帝国ホテルが、その後早や50年余りが経過しました。
「建物の老朽化」や「補修や更新の費用の割高さ」等を根拠(論拠)に、これもいずれ取り壊され、複数の高層ビル群の中のホテルに建て替えられるそうです。
日本を代表するホテルで、1890年の初代開業以来、経営権も幾度か移り替わりました。経営難の時代では、採算に合わなけれは、成立しないホテル経営です。 同業他社が新たに建物を更新する時代の渦の中で、ひとり帝国ホテルだけが、「孤塁を守る」のは困難なようです。
私は、現在の帝国ホテルでは、ある団体の会合で、ほぼ年1回の頻度で、小ぶりな宴会場で過ごしています。 果たしてどこが老朽化したのやら、理解出来ません。競合する他社も、殊更に建物を更新するのは、謹むべき時代状況に入っているのでは、と考えて以下の論述となります。
巨大な建物の改廃、「スクラップ・アンド・ビルド」は、地球環境の維持を発想の基準とした、社会的諸制度面から抑制すべきと考えます。 建て替えに伴う、環境負荷の増大が明らかだからです。 環境保全に係る都市計画からの改廃制限や、膨大な建築物廃材の処理での新規課税や、残滓処理基準の厳格化などで、阻止、少なくとも抑止すべきです。
同じような論理は、我々に身近な自家用車の買い替え違、乗り換えでも、応用できるのでは無いかと考えます。「巨大な建築物の改廃」でなくとも、年間に数百万台に及ぶ、膨大なエネルギー消費です。
自家用車は、丁寧に乗れば、30年間の耐久性があると聞きます。 廃車して、新たな車両に乗り換えるとして、廃車の解体時のエネリギー放出、処理に環境負荷と環境汚染。 それよりも数倍の、新車生産に係る、材料の調達段階での環境問題、材料輸送でのエントロピーの増大、生産過程でのエネルギーの導入と放出です。
国内だけでも年間数百万台の自動車生産で、どれだけの負荷が、地球環境へ、どの様に負荷を掛けるものか、思いを巡らせるべき時代に、差し掛かっていると考える、昨今です。
コメント