ドイツの文豪ゲーテの代表作の戯曲『ファウスト』は、世界文学の最高峰との評価があります。
その『ファウスト』に登場する悪魔メフストフェレスのセリフに、「邪悪を欲して善を成す」というのがあります。なんだか意味不明の様ですが、政治的なメカニズムでは時折生ずる現象ではあります。
政治家の責任は「結果責任」ですので、たとえ動機が純粋に善であっても、結果が悪ければ、政治家は動機の善を持って、結果責任を免れる事は出来ません。
逆に、根本的には好ましくはありませんが、たとえ動機が悪であってさえも、結果が善でありさえすれば、政治家としては了とすべき、となります。
現在のウクライナ戦争の和平の交渉で、「取引」や「利権」といった、少なくとも正義とは似つかわしくはない動機が提示されても、それを受ける側の交渉当事者は、その究極的な政治作用を鑑みて、「大事の前の小事」として、超克しなければならないでしょう。
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