深夜、DVDとパソコンで、映画『流れる』を鑑賞しました。1956年制作の日本映画で監督は成瀬巳喜男です。私は、1970年代の中頃に、東京京橋のフイルムセンターで上映されたのを鑑賞していますので、今回が二回目となりました。
東京の隅田川下流地域を舞台に、芸者の置屋での、主として女性たちの人間模様を描いています。前回の鑑賞では、私自身が20歳前後であったことや、内容が登場人物の虚実や、複数の人間関係による軋轢などに基づくことを十分に理解することが出来ませんでした。
今回は予備知識や土地勘、時代背景、人間設定など十分な予備知識、監督や主だった出演者の来歴など、楽屋落ち的な知識も十に備わったこと、それに私自身が54歳となり、演じられる登場人物のほぼ総ての役柄の年齢も、俳優の実年齢、そして監督やスタッフの年齢を上回ったことで、しぐさや言葉遣いで概ね、内心の察しがついてしまいました。
それにしても、東宝の創立者小林一三が後ろ盾で、プロデューサー藤本真澄の制作ともなると、これだけの日本の映画演劇史上の最大級の女優を競演させられるのかと、別の意味での感慨もありました。映画公開当時は、それが話題になったようです。
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