明日の市議会閉会日で議決予定の「意見書」2つの文書の形式的な補正や、『議会だより』の文章の微調整、常任委員会視察準備などの議会活動が、意外とあっさりと片付きました。 また、経営するマンションの消防用設備の点検も、短時間で終了しました。
意外とぽっかり空いた時間ができたので、書店に赴き視察予定地の一つである岐阜市の地図を探しました。 ところが無く、消閑の具として、文庫本で「大作家」村上春樹氏の短編集を買って、喫茶点で一作だけ読み切りました。
私にとっては、村上春樹入門です。 題名は『蛍』。 導入部で文京区に実在する財団法人の男子学生寮がモデルになっていて、なかなか現実的のある処に食指が伸びたというところです。 この寮に在籍していた男子学生が、私が早稲田大学時代の同じサークルにいたので、彼がどのような環境にいたのか、といった興味もありました。
しかし学生寮についての記述が主ではなく、主人公とそれと関わる数人の登場者の心理を描いた小説であり、構成の意外な場面展開、登場者の想像出来ない行動の不条理、独特な抽象的表現や比喩的叙述など、私の読書理解力にとって不得意分野に満ち満ちた内容でした。
59歳にしての村上春樹入門でしたが、この作家と縁が出来るのは、無限大程に遠いようです。 あまりに現実的な課題に直面して疲れ果て、詩的な夢見るような想像力が後退しているからかも知れません。
もっとも、この短編小説の命題、「死は生の対極としてではなく、その一部として存在している。」は、生意気のようですが、私にとっては小学生時分から意識してきた事柄であり、それには同感しました。
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