昨今の経済不況については、様々な社会的弊害が大きく報じられ、論じられています。もちろん、市民生活に基盤をおいて考察すべき市議会議員の一人として、私宮岡治郎は、その根本的な解決は不可能ではあるものの、入間市としての対策や対応について、調査・研究、具体化し、議会でどんどん提言するのが基本的な使命です。急速な経済環境の変化が、生活を脅かしているのですから、対策は緊急を要するものです。
その上で考えますことは、古くから有る、建物や工場、倉庫などの設備を、従来のように取り壊したり、撤去することなく、出来るだけ改良して活用することの重要性です。これによって、ささやかながら地域のまちづくりの拠点として活用する、創意工夫の時代が到来したとの感慨に私は浸っています。
このような発想は、従来は歴史的に長年に渡って実施されてきました。その根本原因は、建築資材の角材の加工が現在のように機械によって簡単に処理できず、コンクリート建築の技術も原初的な水準に止まっていたためでしょう。
例えば、私の住んでいる西武地区の前身、旧入間郡元加治村の村役場の木造建物は、大正時代に建てられ、1943年の飯能町編入合併後は出張所として活用されたばかりではなく、1950年代に西武町役場が他所に作られると、農協の店舗として再利用されて、1972年まで使用されました。
『入間市文化創造アトリエ』の本館、ホールなどは、70年程前に建築された事務所・展示室、試験工場等の建物を、部分的に改造しての再利用施設です。10年前に開館した当時は、廃物利用の不具合な施設と思われる向きもありました。が、昨今の経済不況下で、少子高齢社会となりますと、時代の平仄に合致した建物である、との評価が生まれそうです。その上、環境へ負荷をかけず、建物解体に伴う建築廃材も発生させない、環境対策上も再評価されて来そうです。