フジテレビのプロデューサーで、入間市の民話を基にしたアニメ映画『ホッタラケの島』の制作者、関口大輔氏の講演会が、午後2時から「入間市市民活動センター」2階の広間「活動室1」で開催され、100人程の聴講者の中の一人として参加しました。
主催者「入間市生涯学習をすすめる市民の会」の紹介の中で、映画『ホッタラケの島 ~遥と魔法の手鏡~』が、本年度の日本アカデミー賞の優秀アニメーション作品賞を受賞した、との報告がありました。アニメーション最優秀作品賞への候補(ノミネート)5作品のうちの1つに含まれているようです。
講演は、新春特別講演会として題名は『「ホッタラケの島と入間市」 ~学ぼう・映画の作り方・テレビの作り方~』でした。関口大輔氏の自己紹介から始まりました。狭山市入曽地区で生まれ育ったこと、曽祖父が入間村の初代村長であったこと、子供時代からテレビや映画が好きであったこと、不老川が「日本一汚い川」であった時代に、上流の入間市まで度々やってきたこと、などが語られました。
「テレビドラマと映画の違いって?」 では、企画の期間がテレビではせいぜい3か月、映画では2~3年、上映時間はテレビドラマが60分×10回程で、延べ600時間に対し、映画は2時間ほど。ストーリーの作り方について、テレビは表現の制約が厳しく、映画は表現の制約が緩やかである。したがって同じ作品でありながら、テレビ版と映画版で、2つのバージョンとなる場合もある。など等がありました。
テレビは自宅で無料で視聴出来、映画は映画館まで足を運び有料である。映画フィルムの画素は多く、デジタル映画でも及ばないこと。テレビは主人公のアップ撮りで終わり、映画は風景の描写で終わる。
続いてテレビ会社のプロデューサーの仕事の内容に入りました。スポンサーとの関係や倫理規定で制約が多いのが、映画製作との違いであるそうです。作品の完成までの順序は、①企画・脚本製作、②監督及びスタッフ及びキャスティング、③製作(現場)、④配給交渉、となるそうです。
関口氏がアシスタント・プロデューサーの立場ながら、自ら立案した「成功事例」の、映画『ウオーターボーイズ』と『スイングガール』については、さまざまな裏話を聞きました。プロデューサーの仕事は、裏方に尽きるものでしょうが、関口氏の仕事の特色及び信条は、「企画」の趣旨に忠実に一貫性を持つことのようでした。 「ホッタラケ」については、「不思議の国のアリス」がベースにある、との呟きもあり、なるほどと思いました。また、自分の住んでいる土地を舞台にすると、ストーリーに深みや厚みが出るとの事でした。