数ある芝居を、類型的に仕分け得て考察するようになってきた、今日この頃です。 6年前の正月のNHKテレビで放映された、時代劇『雪之丞変化』(ゆきのじょうへんげ)を、鑑賞したのを思い出しました。
この芝居はなかなか凝っていて、江戸時代を設定し、歌舞伎の花形役者雪之丞が、実は長崎で抜け荷(密貿易)の濡れ衣を掛けられて、不名誉な死を遂げた親の仇(敵)を追い求める、息子となっていました。
諺に「江戸の敵を長崎で討つ」というのがありますが、原作者はこの逆を戯画(パロディー)的に発想したのが、そもそもの始まりではなかったか、と考える次第です。
すなわち、「長崎の敵を江戸で討つ」です。