生活困窮者が、世界的に増加することが懸念される今年ですが、こういった状況でこそ政治家は、一定の精神的なゆとりを持って事に当たるべきである、と考えました。生活困窮者が生まれる背景には、かならず、無意味で無価値な「奢侈」があるものだからです。この点に虚心に、冷静に対応するのが肝要です。行政批判としてよく「無駄」とされているものよりも、多少違った意味で私は用いたいと考えます。
優れた政治家は、ことさら外見を取り繕ろうとはしません。したがって物事の本質が弁別できるのです。政治は内容が問題であって、それはいずれ人民に理解されることを予め承知しているからです。したがって、政治的に難問が山積する中で、適切な対応の取れる政治家は、寛大で安泰であり、「力量に裏打ちされたゆとり」があるものです。
その逆で、力量不足の政治家は、常に外見を取り繕うものです。例えば「行政改革」といった看板を掲げますが、驚くほど不合理な制度を温存しながら、福利厚生的な政策は、あっさりと一派一絡げに切り捨てるものです。